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従者(執事、メイド他)

我が久曽神(きゅうそじん)家の家訓は、『いついかなる時も、完全で瀟洒(しょうしゃ)であれ』よ。我が一族は代々、三菱や住友といった財閥や名家と言われる一族の従順な臣下として仕えてきたわ。あなたもその名に恥じぬよう、精一杯御奉仕なさい。

 

我が貓神(ねこがみ)家の家訓は、『いついかにゃる時も、完全で瀟洒(しょうしゃ)であれ』にゃ。我らは代々、狗神(いぬがみ)にゃどの妖界(あやかしかい)の財閥や魔狼(まろう)をはじめ、名家と言われる一族の従順にゃ臣下として仕えてきたにゃ。あにゃたもそのにゃに恥じぬよう、精一杯御奉仕にゃしゃい。


「こんばんは。ふふ、驚きましたか。まさか今の今までホールであなたと一緒に踊っていた踊り子が、あなたを殺そうとしているなんて夢にも思わなかったでしょう。
......どうして私を殺そうとするのか、と言いたげな表情ですね。では冥途の土産にお教えしましょう。おじょ....いえ、ボスからの命です。おっと、何故だと問われても私は何も知りません。私はただ、ボスからの命を受けて執行する駒に過ぎませんから。
では、さようなら」

「およびになりましたか、旦那さま。......『私と添い寝をしろ』....なにをおっしゃいますか。旦那さまと言えどそのお願いを叶えることはできません。旦那様はお幾つでいらっしゃいますか。もういい大人でしょう。それならば、大人しくおひとりでおやすみくださいませ。それでは....(旦那様に制止される)......なんです、私には仕事が残っているのです。.....はあ、寝るまでそばにいろ、そうでなければ減給する.....はあ、そんなに私と添い寝がしたいのですか。全く、前当主がきいたら呆れますね。.....今晩だけですよ。はあ......」

「旦那様、起きてください。朝ですよ。....何をおっしゃいます、昨晩は添い寝をしてさしあげたでしょう?それなのに、あと5分寝かせてくれって、呆れてものも言えませんよ。これでも六菱財閥(むつびしざいばつ)の現当主.....きゃっ、どこを触っているのですか!寝ぼけているとはいえ、従者の胸を揉みしだくなんて!.......なに、揉みしだかれたくなければ、あと10分一緒に寝ろ.....はあ.......仕方ありませんね.......この変態当主......」

おかえりなさいませ、旦那様。この度のご出張、誠にお疲れ様でございました。首尾はいかがでございましょうか。
そうでございますか、シュツットガルトのシュヴェーゲル様がアレを三つも買われると。それはよい収穫でございましたね。は、ただいま準備いたします。
起きろ奴隷ども。出荷の時間だ。喜べ、お前たちはドイツの選帝侯に買われたのだ。一度は捨てた命、その命が果てるまで、ご主人様に奉仕するのだぞ。

おかえりなさいませ、奥様。今度のご旅行はいかがでございましたか。は、あのブリュッセルの大富豪であるデュバル様と親交を築かれたと。それは旦那様もさぞお喜びになるでしょう。
なるほど、デュバル様は今後両家益々の親交の証として'アレ'が欲しいと仰せられたのですか。かしこまりました、すぐに準備いたします。
おい、そこの奴隷。お前だ、お前。
出荷の時間だ。今日の相手はベルギーの大富豪で、尚且つ皇帝陛下にも近い存在のお方だ。特に器量がよく別嬪を連れてこいと命じられている。粗相の無い様にせよ。よいな。

おかえりなさいませ、アンダルーサ様。極東からの長旅、誠にお疲れ様でございました。...はい、旦那様がお呼びでございます。例の'アレ'についてのお話を。...は、かしこまりました。
おい、いいか奴隷ども。お前たちはこれからここでまとめて生活する。泣こうが喚こうが助けはない。ましてや逃げるなんて以ての外だ。
それと、不要な言動は慎め。お前たちは我々の大切な商品なんだ。小さな傷ひとつでも価値が落ちる。殴り合いなんてした日には、お前を八つ裂きにしてやる。
 

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