こんばんは、主様(あるじさま)。今宵もわっちをお呼びなすったのでありんすね。わっちのような新造(しんぞう)につとまるかわかりんせんけれども、ひとつお頼う(おたのう)ありんす。

 

おかえりなさいませ、主様。今宵はゆるりと過ごしておくんなんし。.....何を固う(かとう)ありんすか。わっちも床入(とこいり)は初めてでありんすから、緊張せんでくださんし………(耳元で囁く)そんなに震えんでもようざんす。今宵はわっちとふたりきり。なんの心配がありんすか。わっちは主様ただひとりのものでありんす。そやから、主様のお好きなようにしておくんなんし

 

こんばんは、主様。ようやっとあちきのところに帰られたのでありんすね。あちきゃあ心配で胸が張り裂けそうでありんした。なぜって？何を言わはりますやら。主様は色男でありんすから、名も知らぬ女狐(めのこ)が狙わぬとは限らんざんしょ。……そういうあちきも……ほら、ここ。他の男狐(おのこ)に噛まれてしまいんした。せやから、主様。あちきを慰めちゃあ……くれやせんか? 

 

(耳元で囁くように)何を固う(かとう)ありんすか、主様。わっちも床入(とこいり)は初めてでありんすから、緊張せんでくださんし…そんなに震えんでも、今宵はわっちとふたりきり。なんの心配がありんすか。ほら…おかげでここはすっかり主様を受け入れる用意が整っておりんす…

 

ん、ふふ…主様?いくら身体はがちがちでも、ここは素直ざんす。どす黒い腕のようなものが…どくりどくりと大きく脈打ってわっちの手の中で暴れておりんす。かわいそうに。苦しうありんしょ？ふふ、わっちが責任をもって鎮めて差し上げんす…