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​新編竹取物語 - もしもかぐや姫がギャルだったら - 

翁(翁)
娘の一挙手一投足に振り回される
娘(娘)
一昔前のガングロ系
※ナレーション(翁兼任): 無印

 

今は昔、竹取の翁という者がおったそうな。翁は野山に混じって竹を取り、それを色々なものに加工して街へもっていって生計を立てておった。

翁「では、ばあさん。行ってくるからの」

ある日のこと、翁はいつものように竹林に入ると根本が光っている竹を見つけたのじゃ。はて、不思議な事もあるものよのうと中を覗くと背丈が数センチほどの小さな女の子が座っておったそうな。

翁「なんじゃ、これは。わしが毎朝毎晩見て回る竹の中にこうやってお前さんがいるというのは、きっとわしの子になるはずの子.....」

娘「(前のセリフにかぶせる)おい、じじい。ここはどこなんだよ」

翁「はい?」

娘「だあーら、ここはどこかってきいてんだよ」

翁「どこって....ここはわしの竹林じゃが」

娘「竹林?ウケるwwww」

翁「はあ?」

娘「まぢウケぴ」

翁「お、お主、何を言うとるんじゃ」

娘「は?じじいわかんねえの、まぢ草生える。っつーかじじい、ここうぃーふぃねえの、うぃーふぃ」

翁「う、うい、ひ?」

娘「うぃーふぃだよ。じじいわかんねえの、まぢありえんていー。だからいつまでもそんな汚えGGIなんだよ。はあ、まぢガン萎えだわ」

翁「なんじゃ、お主.....」

娘「はあ、泣いてんじゃねえよ。泣きてえのはこっちだっつーの」

翁「うう、すまぬ」

娘「あーうっとうしい。泣くな、男のくせにBK(バリキモイ)。っつーかじじい、ここからやーしぶってどう行きゃいいんだよ」

翁「な、なんじゃと?」

娘「やーしぶだよ、これからイノヘッドのダチとオールでオケるから、もうインしなきゃいけねえんだけど」

翁「は、はあ?」

娘「はあ、GGIホントに役立たずだな。もういい、自分で探す。ここから出せ」

翁は小さな女の子、もとい小生意気な小娘をそっと包み込むようにして取り出したそうな。

娘「うわ、まぢで竹林じゃん、ウケるwwwwww じじいこんなところで生活してるのかよ、ガチ目に大草原なんだけど」

翁「......とりあえず、我が家に来るかの」

そうして翁は、女の子を我が家に連れ帰ったのじゃった。

娘「うわ、きったな。じじいこんなとこに住んでるのかよ」

翁「仕方ないじゃろ、わしとて好んでかようなところに住んではおらん」

娘「うわ、タタミ埃だらけじゃん。ガン萎えだわ。っつーかじじい、私はいつまでこんな小汚えところにいたらいいわけ」

翁「いいんじゃよ、いやなら今すぐ出ていってもらって」

娘「ああ、そうかい」

翁「じゃがの、この辺りは全て山じゃ。昼夜お構いなしに熊だの蛇だの猪だのが現れて、お前さんを食ってしまうぞ」

娘「っ......」

翁「ましてやその小さな身体じゃ、街に辿り着くまでどのくらいかかろうかの」

娘「じゃあ、どうしたらいいんだよ」

翁「そうじゃのう。わしの子にならんか」

娘「.....は?」

翁「確かにみすぼらしい家じゃが、最低限身の安全は保障するぞ」

娘「は、誰がじじいの子なんかに」

翁「ならよいのかの。山に迷い込んだが最後、瞬く間にそなたの身体は八つ裂きじゃよ」

娘「ちっ」

翁「それでも出ていくというのであれば、わしは止めんぞ」

娘「......わあーったよ。変な事したらぶっ殺すからな」

そうして、翁と媼(おうな)のふたりは時に煙たがられ、時に言い合いもしながら大切に育てたそうな。その可愛さは例えようがなく、唐にあるどんなに綺麗な宝石をもってしてもこの子の前では霞んで見えるほどに感じられるのじゃった。
さて、ご承知の通りこの子が後にかぐや姫となるのじゃが、その顛末は追って話すとしようかの。

Fin. 

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